労使関係の変化について

 今回は、先日私が行ったマネジメント関係のセミナーのポイントをいくつかピックアップしてご紹介いたします。

1 人間関係か、契約関係か

多くの経営者が、従業員との関係の捉え方で悩まれています。そこで、確認していただきたいつのポイントが、皆様の組織におけるマネジメントは人間関係が中心か、それとも契約・法律が中心か、という点です。

2 従来の人間関係型マネジメントの背景 

人間関係が中心の場合、新卒一括採用、終身雇用、年功序列、労使協調といった、労働力の流動性が低く、企業と従業員の関係がメンバーシップ型といわれた時代のスタイルといえます。

3 労働環境の変化

しかし、バブル崩壊後、特に金融危機以降、日本の経済状況は一変し、雇用システムも大きく変わりました。非正規雇用が増加し、終身雇用が崩壊し、年功序列ではない成果主義となり、いわゆるジョブ型組織へと変化してきています。労働力の流動化が不可避の雇用環境となっており、2023年の骨太の方針における労働市場改革でも労働力の流動化はテーマとなっています。

4 変化の影響

このような変化が起こると、雇用の不安定化という不利益を直接受ける従業員は、新たな環境に対応するため、雇用関係を、従来の人間関係といった曖昧で甘いものではなく、契約関係としてシビアに考え出します。そのため、今の時代、従業員は、納得できないことがあれば、訴訟も辞さず、という姿勢で臨んできます。そこでは人間関係は通用せず、あくまでも契約、法律に則った処理がなされます。

5 経営者の意識改革の必要性

このように、人間関係ではなく契約関係によって雇用関係を処理することになれば、当然、重要になるのは就業規則や雇用契約書などになりますが、人間関係重視で契約をほとんど考慮していなかった時代の就業規則や雇用契約書は、役所から文句をいわれないために形だけ整えたもの、ひな型利用の形式的なものが多く、企業の経営実態に合わない負担の大きい内容となっているものも多いと思います。これでは企業は不利です。これからの雇用関係を考えるにあたっては、これらの規程類の見直しを含めた意識改革が必要です。