1 理事会及び評議員会の開催可否について
今回は、社会福祉法人と学校法人における、理事会及び評議員会の開催省略可否について取り上げます。
なお、社会福祉法人は基本的に一般法人法をベースにしていますので、社会福祉法人に関する説明は、そのまま一般社団法人及び一般財団法人にも当てはまるとお考えいただいて結構です(一般社団法人の「社員総会」は、下記「評議員会」に相当します)。
2 社会福祉法人について
(1) オンライン(Web)会議での開催について
物理的に一堂に会さなくても、ZoomやTeamsなどのWeb会議システムやテレビ会議を用いて開催することが認められています。これは、開催の省略というより、開催方法の一手段と考えるほうが適切です。
理事会及び評議員会のどちらでも可能であり、後述する「業務執行状況の報告」も、オンライン会議であれば実施可能です。
(2) 決議の省略(書面決議・みなし決議)について
会議そのものを開催せず、書面(または電磁的記録=メール等)での同意のみで決議を成立させる方法です(社会福祉法第45条の14等、一般社団・財団法人法を準用)。
理事会と評議員会とで要件が異なります。
①理事会における書面決議の要件
・定款の定め: 法人の定款に「理事会の決議の省略」に関する規定があること。
・全員の同意: 提案された議案に対して、議決に加わることができる理事の「全員」が書面または電磁的記録により同意の意思表示をすること。
・監事の異議なし: 監事がその提案について異議を述べないこと。
なお、理事長は、「3か月に1回以上(定款に別の定めがあればその回数以上)、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない」と定められています。この報告については、書面決議(決議の省略)の仕組みを使って済ませることはできません。必ず実際の会議(オンライン会議は可)を開催して報告する必要があります。
②評議員会における書面決議の要件
全員の同意: 理事が評議員会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき評議員の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をすること。
なお、理事会の場合と異なり、定款に規定がなくとも行うことができます。
3 学校法人について
(1) オンライン(Web)会議での開催
社会福祉法人の場合と同様可能です。
(2) 決議の省略(書面決議・みなし決議)について
学校法人では決議の省略は不可能です(文部科学省のQ&Aでも「書面開催は不可」とし、その理由として、理事会や評議員会は「単に議決を行うための機関ではなく、議題について相互に意見交換を行うことにより意思決定を行うことが期待される場であるため」とされています)。
会議そのものを無くすことはできませんが、会議(リアルまたはオンライン)を実際に開催したうえで、当日出席できない一部の役員が、事前に書面やメール等で議決に加わることは可能です。
ただし、この方法による開催を認めるためには、学校法人の基本ルールである寄附行為にその旨が規定されている必要があります。
最近は学校関係の相談が多く、また紛争の発生予防に関心を持っています。子供の遊び場制覇を目指しています。