1 二重価格表示とは
二重価格表示とは、例えば、
「通常価格11,000円のところ 期間限定8,800円で販売」
など、実際の販売価格とそれよりも高い価格(比較対照価格と言います。)と並べて表示する手法です。
二重価格表示自体が直ちに違法となることはありませんが、このような表示が、景品表示法上、実際よりも著しく有利であると誤認させる表示(有利誤認)であると認められる場合は、「不当表示」として規制されます。
2 ガイドラインにおける考え方
消費者庁が公表している価格表示ガイドラインにおける二重価格表示の基本的な考え方としては、同一ではない商品の価格を比較対照価格に用いて表示を行う場合や、比較対照価格に用いる価格について実際と異なる表示やあいまいな表示を行う場合には、不当表示に該当するおそれがあるとされています。
その上で、問題となり得る場合として以下のような場合が挙げられています。
・過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示
同一の商品について「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とはいえない価格を比較対照価格に用いる場合には、当該価格がいつの時点でどの程度の期間販売されていた価格であるかなどその内容を正確に表示しない限り、不当表示に該当するおそれあり。
※「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とは、原則、セール開始時点からさかのぼる8週間(当該商品が販売されていた期間が8週間未満の場合には、当該期間)の過半の期間において、当該商品を販売していた価格をいいます。
ただし、同要件を満たす場合であっても、当該価格で販売されていた期間が通算2週間未満の場合、又は当該価格で販売された最後の日から2週間以上経過している場合においては、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とはいえないものとされています。
・将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示
表示された将来の販売価格が十分な根拠のあるものでないとき(実際の販売することのない価格であったり、ごく短期間のみ当該価格で販売するにすぎないなど)には、不当表示に該当するおそれあり。
・希望小売価格を比較対照価格とする二重価格表示
製造業者等により設定されあらかじめカタログ等により公表されているとはいえない価格を希望小売価格と称して比較対照価格に用いる場合には、不当表示に該当するおそれあり。
・競争事業者の販売価格を価格対照価格とする二重価格表示
消費者が同一の商品について代替的に購入し得る事業者の最近時の販売価格とはいえない価格を比較対照価格に用いる場合には、不当表示に該当するおそれあり。
また、市価を比較対照価格とする二重価格表示については、競争関係にある相当数の事業者の実際の販売価格を正確に調査することなく表示する場合には、不当表示に該当するおそれあり。
3 まとめ
二重価格表示は、お得感を演出するのに有効な広告手段ですが、それだけに有利誤認として不当表示に該当しうる場面も生じ得る手法でもあります。広告の表現内容に不安がある場合には、事前にご相談ください。
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