1 全ての財産を「一人」にひき継がせる?
相続案件を扱う中で、紛争になりやすい類型の1つに、遺言の「作り方」があります。遺言はその亡くなられる方にとって自身の財産を「このように分けてほしい」という考えを示すものであり、法定相続分に従うのではなく、自分が考える割合で引き継がせることが可能となります。
その中で、最も争いになるのは、「全ての財産を一人に引き継がせる」内容の遺言です。もちろん法的には有効です。しかし、この場合には、「遺留分」といって、「他の相続人が最低限保障される取り分」を巡る争いが生じることとなります。そして、この争いには、感情の対立が深まる傾向が強いです。
2 メッセージを遺言の中に。
仮に、この形の遺言をする場合には、「どうして一人に全てをひき継がせたいと思ったのか」という気持ち(感情)の部分について、遺言の中に「付言」として記載することが有用です。この「付言」は、法的効力は持たない単なるメッセージにはなるのですが、相続人からすると、「どうして遺言者がこのような遺言を残したのか」ということの理解を深めることができます。
例えば、付言として「長男には長年介護をしてもらって本当に感謝している。この経緯を踏まえて、全ての財産を長男に引き継がせたいと考えた。他の子ども達は私の意図を是非とも汲んでほしい」というようなことを記載しておけば、その気持ち(意図)が伝わり、相続人間同士で争いが生じにくくなります。相続を「争族」にしないための1つの工夫として知っていただければと思います。
長崎オフィス所長の種田と申します。「種田(たねだ)」という苗字は、長崎県では珍しいかと思います。長崎出身の妻との結婚を機に移住し、3児の父として、仕事にも家庭にも奮闘しております。
「心は熱く、頭は冷静に」を信条としています。お客様に寄り添うとともに、冷静かつ客観的な視点を意識して案件に取り組んでおります。お客様と常にコミュニケーションを絶やさず、その思いを実現できるよう、尽力して参ります。