企業にコンプライアンス意識が求められるのが当然の時代ですが、なぜコンプライアンスは重要なのでしょうか。
今回は、コンプライアンスの意味合いの再確認をしてみたいと思います。
1 コンプライアンスとは?
コンプライアンスとは、一般的には「法令遵守」と考えられていますが、現在は、単に「ルールさえ守っていればよい。」というだけではなく、より社会的な使命、責任といった意識をもって企業活動を遂行するものとして捉える傾向が強まっているといえます。
2 コンプライアンスの重要性
このように従来よりも広い意味合いを持つとされるようになってきたコンプライアンスですが、なぜコンプライアンスが重要かといったコンプライアンスの意味合いについて意識していないと、研修などを受けても形だけのものになってしまいがちです。
これについては、企業に対する社会の評価基準の変化という状況のもと、①社会的責任を果たす企業に対する評価は向上し、逆に社会的責任の意識が乏しい企業に対する評価は低下してしまうため、コンプライアンスが企業の死活問題といっても過言ではない状況になっていること、②コンプライアンス体制を構築することにより社内環境が改善され生産性が高まること、が重要な点だと思います。
3 コンプライアンス体制の構築
では、どのようにコンプライアンス体制を構築すればよいでしょうか。
これには色々な要素があるとは思いますが、まずは、企業のトップが強い意識で一定の価値観や経営理念を掲げ、それを日々の活動の中で実践していくという姿勢が大事だと考えます。マニュアルや研修に頼るだけでなく、トップ自らの積極的な姿勢によって組織全体にコンプライアンス意識を共有させることが重要になります。トップの本気度が低いと、それは他のメンバーにも伝わるものです。
4 まとめ
以上のように、企業にとってコンプライアンスを意識した職場環境を構築することは不可欠ですが、人が行うことである以上、コンプライアンス上の問題をゼロにすることは不可能です。そのため、十分な対策・準備を講じつつ、問題を早期に発見し是正するための体制を整備する必要があります。
当事務所でも、コンプライアンス研修の実施を含め、不祥事発生時の対応など、多くの案件を取り扱ってきておりますので、ご不安な点などおありの場合は、早めにご相談いただければと思います。
これからの企業における最重要資源が「人」であることは多くの方が認識されているところと思います。この「人」には、従業員、役員、株主など企業に関わる色々な立場があり、それぞれについて対応を検討する必要があります。
当事務所では、企業における労使関係、役員間の関係、株主間の関係などの組織マネジメント全般をサポートして企業の維持・発展のお手伝いをいたします。