「無料」って、ほんとに無料?増加している広告トラブル

無料広告のトラブル

1 「無料」って、ほんとに無料?
  昨今、「無料」広告に関するトラブルのご相談を多く受けます。
  人材不足に悩まれる会社会社にかかってくる1本の営業電話、「こんにちは!ネット上で人材募集の広告を出してみませんか。広告料?大丈夫、無料
 キャンペーンやっています」。このような営業電話がかかってきたとき、一歩立ち止まって、契約内容に注意してください。
  この「無料」広告にはカラクリがあります。それは、【最初の2~3週間は「無料」として広告を掲載し、その後解約申し入れをしなければ、広告掲載
 が自動的に「有料」に切り替わり、その広告料(数十万円)が発生する】というものです。
 
2 契約書の文言は?
  当該トラブルの厄介な点は、契約書には「一定期間たてば、無料から有料に切り替わること」が一応記載されているという点です。相手方からは、「ち
 ゃんと契約書に説明が書いているでしょ!」と言われてしまうのです。
  ただ、契約書記載の文字は極めて小さく、全体を読み込まないと意味が分かりにくい形となっています。また、電話による契約内容説明の際において
 も、有料に切り替わることやその金額・解約手続き等は説明されないため、申込側も気付くことができないというのが、当該トラブルの落とし穴となっ
 ています。
  このような場合、法律的には、「契約不成立」「詐欺取消」「錯誤無効」等の理由によって、広告料請求を拒否することが可能ですが、このようなトラ
 ブルに巻き込まれること自体、回避しなければなりません。
 
3 契約書は必ず読みましょう!
  このトラブル、本当に増加しています。優良な広告会社とそうでない会社を見極めていただき、また契約書にはしっかりと目を通すことが重要です。

弁護士 種田和彦