皆様は、自社の就業規則を確認されたことはあるでしょうか?今回は、従業員の就業に関する規則である就業規則の重要性についてお話いたします。
1 はじめに
就業規則は、企業が従業員との関係を適切に築き、円滑に企業運営を行うために重要なものです。
2 就業規則の法的効力
①労働契約規律効
労働契約法第7条においては、以下のように定められており、就業規則は雇用契約の内容となる点で極めて重要です。
「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りでない。」
②最低基準効
就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となり、この場合、無効となった部分は、就業規則で定める基準によることになります(労働契約法第12条)。
3 就業規則の活用
①労使トラブルの予防
上記の点に留意して整備された就業規則があれば、従業員との労働条件に関する争いを未然に防ぐことができる可能性が高まります。明確な規定がないことが争いのもとになることはよくあることです。
②トラブル発生時の判断基準
何か労使トラブルが発生してしまった場合、企業の主張を裏付けるためには就業規則や雇用契約書といった根拠資料が重要です。
就業規則をしっかりと整備できていれば、トラブル発生時にも就業規則に基づいた企業の主張を行うことができます。逆に、就業規則が整備できていないと、労使の間で口頭では合理的な内容の合意があったとしても、裁判所には採用されないおそれがあります。
「就業規則や雇用契約書には書いてないが、従業員とはちゃんと話ができていたんだから、その内容で判断されるべきだ!」と言っても通らないわけです。
4 まとめ
従業員との関係、労働条件については、就業規則や雇用契約書といった書面で十分な整備ができておらずアバウトな管理になってしまっている企業様も少なくありませんが、上記のような就業規則の法的意味から明らかなとおり、仮にトラブルになった場合には、法的判断における最重要の拠り所は就業規則や雇用契約書ということになります。
もし、就業規則や雇用契約書の内容に不安がおありの場合は、一度、早めにご確認いただき、ご遠慮なくご相談いただければと思います。
これからの企業における最重要資源が「人」であることは多くの方が認識されているところと思います。この「人」には、従業員、役員、株主など企業に関わる色々な立場があり、それぞれについて対応を検討する必要があります。
当事務所では、企業における労使関係、役員間の関係、株主間の関係などの組織マネジメント全般をサポートして企業の維持・発展のお手伝いをいたします。